《第34号》●希望の法則34  まど・みちおさん(100歳)の「いのちの詩」を読もう

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最近、素敵な本を読みました。
それは童謡「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」で有名な
100歳の詩人、まど・みちおさんの
「いわずにおれない」という詩文集で、
まさに「宙身一体のエネルギー」を高揚させてくれる素敵な本なのです。

平成21年11月16日には100歳。
じつに直感的に分かりやすい言葉で「いのちの不思議」を表現し続け、
身の回りの小さな発見から哲学的な思索まで
きらめくような詩をたくさん残しています。

「いのちの輝き」「宙身一体のエネルギー」といった話になると、
どうも、古今東西の哲学書や宗教書を援用して
難しくこねくり回す、理屈っぽい本が多いものですが、
まどさんの詩や文章を読めば、
自然のまま、当たり前の感性を大事にすることが
いかに生きがいにつながるか?
それがトキメクように伝わってきますから誰しもが驚くはずです。

たとえば≪頭と足≫という詩を読んでみましょう。
「生きものが 立っているとき
その頭は きっと宇宙のはてを ゆびさしています(略)
けれども そのときにも
足だけは 地球の 同じ中心を指さしています
おかあさん・・・と 声かぎりに よんで
まるで とりかえしのつかない処へ
とんで行こうとする 頭をひきとめて もらいたいかのように(略)」――、

どうですか? こころにズシンと響く、
きらめく言葉が散りばめられていると思いませんか?

「おならは えらい
でてきたとき きちんと あいさつする(略)」――、
これも唸ってしまう詩ですね。
こうした”いのちの不思議”を見つめた文章とは、
屁理屈を超えています。

じつは、まど・みちおさんの
「いわずにおれない」という詩文集については、
僕のスローヘルス研究会の創設のころからのお仲間である、
浦部真弓さんのエッセイを読んで知ったのですが、
群馬県・藤岡で古代米「浦部農園」の経営者です。
浦部真弓さんは、若き日に、ベーチェット病という難病を、
マクロビオティック食養生法で克服。
「食は運命を決める」「主婦は家庭の薬剤長」だと悟り、
夫の修さんと二人三脚で、
身心の苦難を乗り越えて、有機農園を経営し続けてきた人です。

また、長女の方を小さいときに亡くされたことに触れて
産経新聞群馬版(2006.5.19)の連載コラムの中で、
まどさんの「臨終」という詩をとりあげていたのは印象的でした。

悲しみはいやすことも乗り越えることもできないけれど、
その痛みを抱えたまま生きていけばいい。
お遍路は同行二人といいますが、
この日から私の人生は娘と同行二人になりました。
まどみちおさんの詩にすてきな1節があります。
/私という耳かきに/海を
/一度だけ掬わせてくださいまして
/ありがとうございました/・・・
/この一滴の夕焼けを/だいじにだいじに/おとどけにまいります/

ご高齢のまどさんは夕焼けをうたいました。
ならば私の娘は、美しい朝の光を神様に届けに行ったのでしょう。
私もいつか海をひと掬いする日が来ます。
いつ時分のことであれ、そのひと掬いを美しいといえるように
生きていきたいと願っています。

浦部さんが背負った苦悩、そして、
たどり着いた「死生観」とは凄いものだと思いませんか?
そして、悩める多くの人たちの心を支え、やがて、トキメキの世界に誘う、
まど・みちおさんの「珠玉の詩」にも、あなたは感動したはずです。

学者や論者たちの持って回ったような屁理屈を超えて、
「いのちのトキメキ」とは、僕たちの周りに、
当たり前のように≪ある≫ことを教えてくれていると思います。

ぜひ、時間があったら、お子さんと「ぞうさん」の歌をうたいましょう。
そして、ときに、100歳の詩人、
まど・みちおさんの「いのちの詩」を、心静かに読んでみましょう。
100歳詩集 逃げの一手」という素晴らしい作品集もあります。
まちがいなく、心がかろやかになります。
ふつふつと、いのちのエネルギーが漲(みなぎ)ってくるはずです。

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