《第16号》「運命は食で決まる」=漢方薬食力のひみつを知ろう

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前回まで、僕の「ガン切らずに延命10年」をもたらしてくれた、二つの「薬草療法」=帯津良一医師の『漢方煎じ薬』、そして、王振国医師の「複合漢方薬・天仙液」の効果について書いてきましたが、いまや、これまで「いかがわしいい学だ」などと敬遠されてきた漢方医学も、欧米の医学レベル並に時間と資金をかけた「科学的解明」が始まっているわけです。

まさに、漢方の生薬「相乗力」を西洋医学の権威たちも無視できなくなってきたといってもよいでしょう。

さて、僕は大学病院を退院した後、食道腔内に放射線を照射するラルストロン療法を 追加治療として退院後1ヶ月ほど受けたのですが、喉から長い管を飲み込む苦痛、また、 その後の被爆後遺症に嫌気がさしたこともあって、もっぱら漢方の薬食同源に基づいた 「薬草・薬食療法」を在宅療法として取り入れたことになります。、以下の3つが中心でした。

①天仙液による「漢方複合療法」(王振国医師)帯津良一医師)

②漢方せんじ薬を中心とした「ホリスティック療法」(帯津良一医師)

③玄米菜食によるマクロビオティック食養生法(山村慎一郎・食箋指導者)

というわけで、薬食同源の養生法=「薬食療法」について書いていきたいと思います。

ちなみに「医食同源」という言葉があります。

これは近年の日本の造語で、古くは「薬食同源」という漢方医学の原理に基づいた四字熟語です。「薬も食(食物)も同じ、いのちの源」といった意味。薬は毎日の食べ物と 同じく大切であり、食べることは薬を飲むのと同様に心身を健やかにするという考え方です。 自然の草根木皮や木の実等自然の物を薬にしている漢方ならではの考え方です。

古代中国では、最高の医学は、未病医学(予防医学)とされています。名医とは、病気を治療するだけでなく、病気を予防する医者だと、古代中国の書物には記されており、 また、医者を「食医」、「疾医(内科医)」、「瘍医(外科医)」、「獣医」の四階級に分け、 「食医」を最高の医者とランクづけしていました。NHKで放送された大人気の韓国ドラマ “チャングムの誓い”の主人公チャングムが、その「食医」のモデルです。

「食こそ命の源」なわけです。日本でも「食は運命を変える」といったのは江戸時代の 観相家・水野南北です。「相法極意修身録」では「食を慎しめば気が開け、気が開けば 運が開く」といい、「運命の吉凶は食で決まる」としています。

「薬食同源」に基づいて漢方薬(になる食材)を使った健康料理が「薬膳」ですが、皆さんの中にも「薬膳」が好きな人もいるでしょうから、この原理についても、なるべく簡潔に触れておきましょう。

漢方では食べ物を五つの味に分けます。

酸(すっぱい)、苦(にがい)、甘(あまい)、辛(からい)、鹹(しおからい)の五つの味です。この五つの味の食べ物をバランス良く食べていくことが健康の源に成るという考え方です。五味は五臓と密接な関係にあり、【酸⇒肝臓】、【苦⇒心臓・小腸】、

【甘⇒脾臓、胃】、【辛⇒肺、大腸】、【鹹⇒腎臓、膀胱】となりますので、体のエンジン部分である五臓六腑がバランスよく働くという原理です。もちろん、漢方薬の原理と同様に「気・血・水」の流れを整えて弱った内臓の働きを助けるような薬効作用をもった食材がいくつも含まれますので、薬膳は体内の環境を良好に保ち、病気を未然に防ぐ。さらに体調バランスをよくする「薬食療法」として、近来、日本でも人気になっているわけです。

これに寒・涼・平・温・熱といった「五性」も配慮し、個人の体調や体質、季節にあわせて、こうした食べものと体質との相性、食べものと食べものの相性など食材の特性を生かす、いわば「陰陽調和」の食事です。

薬膳はカロリーをベースとした西洋栄養学にはない、体の調和を図る漢方栄養学ですから薬膳を理解すると西洋と東洋の両面から食の知識や理解が深まり、まさに薬食同源=「薬は食に勝る」の発想に元気延命を掴むことができると思います。

五味
作用と食材
血液浄化・筋肉収縮作用。梅、トマト、りんご、酢など。寝汗、下痢、頻尿などによい。食べすぎは胃腸を弱める。
余分な熱や水分を排出する作用。ごぼう、ふき、苦瓜、にんにくの芽など。せき、めまいなどに有効。
滋養強壮作用。とうもろこし、人参、豆腐、蜂蜜、果物など。止痛、毒消し、疲労、胃の痛みなどにも有効。
体を温め、血の巡りをよくする発汗作用。唐辛子、生姜、にら、大根など。食欲不振、風邪、食欲不振などによい。
しこりをやわらげる作用。しょうゆ、 昆布、海草、貝類など。便秘、肩や首のこり(リンパ節のはれ)などに有効。