《第3回》あなたはガンの「抗戦派」か?ガンの「非戦派」か?

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「ガンを切らずに“延命力”をつける」――、

 

 

 

ちょっと風変わりな闘病法で、僕は幸運というか悪運というか、とうとう10年間、生きのびてしまったわけです。しかし、手術、抗ガン剤、放射線を中心とする西洋医学からみれば、まったくの「非常識な患者だ」と片付けられておりました。友人たちの中には「えーっ、ガンを手術しない?相当、末期の症状に違いない」「可哀相に、アイツもお陀仏か」と噂し、なんとも心の傷をぐりぐりとえぐられるような話も風の便りに入ってきました。

別に、退院といっても病院のベッドが一杯で追い出され、自宅のベッドの上でウンウン唸っていたわけではありません。もちろん、ガン宣告を受けた当初は、ちょっとマーカーの数値が上がっても医師や看護士と一緒になって大騒ぎしたものですが、やがて、季節の寒暖、気圧の変化やストレスのかかり具合でも、人間の体は変調が起こり、数値も変動することもわかり、余程の激痛が走るような自覚症状がない限り、病院に足を運ぶ回数は少なくしました。

スワっ、再発か?と大騒ぎしたときも、何度かありました。しかし、漢方療法と食事療法を中心に、ガンの「浸潤力」に負けない「滋養力=延命力」を全身にみなぎらせるように、「あわてない、あきらめるなよ、あせらない」と心に言い聞かせて粘り強く、いわばスローヘルス式の延命力療法を組み合わせたことになります。仕事や学業もそうですが、「継続」こそ「いのちの宝」なのですね。

「えーっ? そんなエビデンス(立証性)のない療法はやめなさい」と、異口同音に、大病院の医師たちは警告を発しました。もちろん、患者さんの中にも、まるで「腹切り武士」のようにむごい手術や過度の抗ガン剤の疼痛にも耐えて、生きのびている人がたくさんおられるわけですから、別に、僕のスローヘルス式の延命力活用法を無理矢理に押し付けるつもりはありません。

ガンの治療選択とは、患者自身が納得して選ぶことが第一原則ですからね。

ただ、長年、ガンと付き合ってきて、ガン患者のタイプには二通りあることが分かりました。

●「抗戦派」=臓器手術や抗ガン剤の化学療法に積極的に挑むタイプ。

●「非戦派」=なるべく臓器を痛めずに自然治癒力や免疫力を高めようとするタイプ。 あなたはどちらを望むでしょうか?

僕は「臆病者」とか「へそ曲がり」と言われようと、ずばり、ガンの「非戦派」で、この10年を貫いてきたわけです。いまの大学病院やガン専門病院では、この近代100年に制度化された、西洋医学の手術や抗ガン剤による、ガン標準治療が公認されており、患者ばかりか医師も健康保険制度の恩恵にも浴せるわけですから、ガンの『抗戦治療』が、この世の常識となっているわけです。

もちろん、僕とて初期治療の段階では「シスプラチン+5FU」という抗ガン剤、と「ライナック」という放射線外部照射を1ヵ月半、さらに「ラルストロン」という放射線内部照射治療を1ヶ月続け、副作用の疼痛にもイヤというほど悩まされながら「徹底抗戦」してきました。

その一方で、主治医には内緒で、「天仙液(中国の漢方複合液)」+「SOD(健康補助食品)」を服用して、ガンの浸潤力に負けない、免疫力、自然治癒力をつけようと、いわば西洋医学と東洋医学の統合治療法を図ったわけですから、最初からガンの「非戦派」で臨んでいたわけではありません。

ところが、ガンの正体とは謎だらけで、いまの科学を持ってしてもほとんど解明されていないわけですが、

さらに人間のいのちそのものはもっとミステリアスなのですね。なんと主治医がメスを振りかざす前に、食道を塞いでいた6センチのガン腫瘍が内視鏡でも見てもレントゲン写真で見てもきれいさっぱりと消滅してしまったのです。専門的には、これは完治ではなく「寛解」(かんかい)というのですが、僕は喜び勇んで「手術は拒否」して退院。「ガン病棟を脱走」したことになります。

主治医が呆れ返ったことはいうまでもありません。

「あんた、退院したら7ヶ月か8ヶ月後に必ず再発するからな」と脅しを掛けられ、付き添っていたカミサンなどは、体を強ばらせて打ち震えておりました。しかし、いまから10年前、1999年では珍しいことでしたが、僕は職業柄、ベッドに軽量のノートパソコンを持ち込んで、インターネットで「食道ガンの手術は100人に80人は助からない」という米国の学会データを掴んでおりましたから、まさに身を挺して、ガン「非戦派」の道を選んだことになります。