《第15号》 あなたは漢方薬が効くタイプか? 効かないタイプか?

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漢方の薬草にはそれぞれにどんなパワーがあるのか?探っていきましょう。

ちなみに「薬草」「生薬」、さらに「漢方薬」という用語を使いましたが、厳密にいいますと、「生薬」というのは薬効のある植物、動物、鉱物などの天然物質の一部を乾燥したり、煎じて加工した薬のことで、この中の植物が「薬草」で大半がこの自然の薬草=草根木皮です。

合わせて6000種あるといわれます。

6000種の漢方の薬草=生薬について、一つ一つ検証していくのはとても紙数が足りませんので、僕が、日々、服用している、帯津医師の処方による漢方せんじ薬の成分を分析しながら「薬草力の秘密」を、ここでは探っておきたいと思います。

漢方生薬とはちょっと癖がありますが、慣れてくると匂いを嗅ぐだけで体が清浄になっていく気分となってきます。

温かくして飲むとちょっと濃厚なお茶という感じ、副作用もないので、まるで快適にお茶でも飲むように、僕は楽しんでいます。

1ヶ月分毎に、その時々の四診と血液検査に基づく証(症状)に合わせて、帯津医師が8種類の生薬を調合してくれます。

9年目の内視鏡検査のとき、ちょっと泡を食ったことがありました。

「胃に原発潰瘍が出ました。一時は原発の胃ガンではないかと疑われ、「胃ガンの手術は簡単だから切ったらどうだ?」

といわれたことがあったのです。

しかし、別に腹が痛いわけでもなし、快食快眠快便は続いておりましたので、やはり手術はお断りし、薬草力を信じて、帯津医師に漢方せんじ薬の調合を変えてもらったところ、3ヵ月後の検査では「胃ガンではなかった」と分かってホッとしたものでした。

おそらく、長いことガンと付き合っていると、自分の体調バランスの感触もなんとなく分かってくるもので、持病の椎間板ヘルニアと季節の変わり目に起こす体の冷えが起こす体調不良が引き金で、胃の神経がやられたのだと思います。

以後も薬草力が功を奏しているのでしょう。

おかげで快調に推移していまし、食道ガンも治まっております。

いまは、次のような生薬の6種の組み合わせ(g=1回に煎じる量)で、せんじ薬を貰っています。

・黄耆(オウギ) 6g

・女貞子(ジョテイシ)6g

・白朮(ビャクジュツ)6g

・甘草(カンゾウ)4.5g

・半枝蓮(ハンシレン)6g

・白花蛇舌草(ビャッカジャゼツソウ)6g

では、この薬草のパワー=薬理作用はどんなものかといいますと、以下のようなことが検証されているのです。

「黄耆」は強壮、止汗、利尿、さらに免疫促進の薬理作用――、

「女貞子」は通便、滋養、肝臓や腎臓の保護作用――

「白朮」は 補脾、利水、止汗、食欲増進、体質補強、食道ガンの抑制作用――

「甘草」は解熱、消炎、鎮静、健胃、強壮の作用――

とくに「白花蛇舌草」「半枝蓮」の二つは、最近ガン治療によく使われる生薬で欧米や日本の医学雑誌でも、抗ガン活性に関する科学的な研究・検証が掲載されているようです。

しかし、西洋医学の薬と違い、一つの生薬だけで決定的な効果が起るのではなく、何種類かの薬草を「証」に合わせて組み合わせることによって「相乗力」が起り、症状改善や抗ガン抑制作用パワーを引き出す――ここに漢方医学の特徴があると帯津医師はいっております。

煎じ方ですが、簡単な自動煎じ器もありますが、容器はどびんが一番です。なければアルマイトでも結構ですが、鉄瓶はだめです。

1日分の薬草を入れて300ccほどの水を注ぎ、30分~40分、火にかけて、半量に煮つめます。火からおろしたら、茶こしやガーゼなどでカスをこします。せんじ薬(方薬)の袋は虫やカビ、腐敗変質を避けるために直射日光の当たらない、風通しの良い乾燥した場所に貯蔵しておくように心しています。

帯津医師の漢方薬草力に関する見解は、じつに患者の感触を大事にする人間味に溢れるものです。

「漢方の効果はホームランを期待しないでヒットを続けてじっくり得点を重ねることに似ています。

また、漢方は効く人と効かない人がありますが、患者さんの心の持ち方が大いに左右します。

宗教を信仰するくらい好きな人は効くものですよ」とユーモラスに語っていますから、僕はきっと漢方が効く人のタイプなのかもしれませんが、敬愛する帯津先生が心を込めて調合してくれているので、わが身の中で薬草力が倍増しているのだと思っています。

あなたは効くタイプでしょうか、効かないタイプでしょうか?

ともあれ、毎日、せんじ薬を温かくして2~3回に分けて食前に服用しています。

いまではお茶でも飲むように楽しんでいるわけです。