《第2回》「3A+1D」=これがガン延命力の知恵

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どういうタイプの医師が信頼に足るか?

薬や病院選びより、これほどガンの患者にとって難しい問題はありません。

おまけに高齢者激増による病院経営や医療制度の問題で、難病を扱う病院が減ってくる。

「貧乏人は病院に来るな」とでもいわんばかりの、高齢者や難病患者をないがしろにする患者漂流の政策がまかり通る。

まさに「長寿病弱国」にいまの日本は成り下がってしまいました。

医療現場はどうかといいますと、もうガンの患者さんやご家族ならイヤと言うほど体験しているはずですが、いまの大病院の治療は、どの病院に行っても同じ。

3分間治療、3時間待ち、おまけに検査漬け、薬漬けで、医師が患者の心身の訴えを聞いてくれる時間があまりにも少ない――、これが「長寿病弱国」に成り下がったいまの日本の医療現状でしょう。患者と家族の不安は募るばかりです。

現実に医師は勉強する暇もないほど忙しくなっておりますから、親身になって患者の立場に立つどころか、医師同士の世界で決めた「手術」「抗ガン剤」「放射線」という「標準治療ガイドライン」というアンチョコを眺めながらまるで「壊れた機械修理」のように患者のいのちを扱っていきます。

患者の心身の痛みをじっくり聞いてくれる医師は少なくなりました。

大病院にいって経験することは、医師の診察の前に、若い看護士がマニュアル帳を片手に、機械的に症状や家族構成などを聞くだけで、いよいよ肝心の医師の診察時間になっても、医師は患者の方をしかと見つめていろいろと聞いてはくれない。

患者を診るより、ただただ検査数値とレントゲン写真とにらめっこして、最後は、習ってきた「医療ガイドライン」を思い浮かべて、「抗ガン剤と放射線で腫瘍を小さくして、手術しましょう、手術は簡単ですよ、完治しますよ」などと、まるで録音機のように鸚鵡返しに処方を繰り返すわけです。

もし、治療ガイドラインにない事態に患者が陥ると「あなたは余命半年です」と引導を渡すことになります。

決して、それぞれの患者の症状や体質、生活習慣など事細かにメモして、顔色や心の揺れ具合を確かめる、昔でいう問診や触診はしない医師が当たり前になってきました。

別に個々の医師を責めるわけではありません。

しかし、これがガン患者にはなんとも耐えられない「長寿難病国」の実情なのです。

僕は、この10年、あちこちと医師と病院を巡りましたが、幸運にも何人かの心温かい医師にめぐり合うことが出来ましてこうして「ガンを切らずに」延命してきたわけです。

では、患者にとって「信頼にたる医師」とはどういうタイプをいうのか?

僕の主治医でホリスティック医療の草分けである帯津良一院長は「それは患者の寂しさが分かる医師です」とはっきり答えています。

多くの患者が「患者漂流」と「ガン難民」と呼ばれる苦悶と不安のなかで、なんとか「いのちを掴もう」「人生設計を再建しよう」と頑張っているわけですが、さて、あなたは患者の「寂しさ」が分かる医師を持っているでしょうか?

もし持っているとしたら、ほんとうに幸運な人といえるでしょう。

ますます医師がマニュアル・ロボット化し、病院がマニュアル・ファクトリー化する・・・

無表情な医療社会の到来です。

少子高齢化などと他人事のように嘆く記事が氾濫していますが、いまや、僕自身、そしてあなたの家族自身を襲う“長寿病弱国”の真っ只中にいるのが実情です。

しかし、ガンはあきらめたら負けです。

こうなったら「己の命は己で掴む」と覚悟を決めて、家族と一緒になって探せば、まだまだ患者の「寂しさ」が分かる医師はおられます。

僕は著書やBLOGで「落ち込んだときに気を取り直すガンに負けないキーワード」についてなんども書いてきました。

もし、あなたの症状が悪化して、どの病院を巡っても道が開けないときは、次の言葉を忘れないで下さい。

「一歩一歩ガンと共生する」しなやかな人生設計を掴みましょう。

その“長寿病弱国”の荒波に飲み込まれないためのスローヘルス・キーワードは以下です。

●「希望こそ良薬 あきらめは毒薬」

●「あせらない あきらめるなよ、あわてない」

そして「騙されない」・・・の3A+1Dの法則です。

「患者を壊れた機械」のように扱う大病院の医師だけではありません。

患者の弱味に付け込む、おかしな代替療法の医師や治療師、また、いかがわしい健康食品を売り込む営業マンにも騙されてはなりません。

「3A+1D」を、これからのガン延命力の知恵として肝に銘じ、一歩一歩「いのちを掴んで」いただきたいと願っています。

ガン闘病とは「一歩一歩 ガンと共に歩む」であり、日々の地道な養生設計、人生設計の積み重ねなのです。